砂連尾理さん(右)と砂連尾瞳さん(撮影/写真映像部・上田泰世)

妻 砂連尾瞳[46]郵便配達員

じゃれお・ひとみ◆1978年、京都市生まれ。成安造形大学卒業後、国立民族学博物館の嘱託職員として3年勤務。その後、デザイン事務所などでアルバイトをしながらグラフィックデザイン業を個人で行う。10年続け、デザインの仕事を辞める。園芸店勤務を経て現職

夫からは自分といるとこんなに楽しいよと勧誘された印象があります。初めは聞き流したものの、翌日回想していたら、行け~って心の声が聞こえた気がして、前向きに検討しますと返事。この人となら大変なことがあっても面白おかしく一緒に生きていけそうだと思って結婚しました。

 配達員の仕事を始めたのは、引っ越しても郵便局ならどこにでもあるし、身体を動かす仕事をしたかったから。人って言葉より、間合いや空気感で何かを受け取っている気がして、人との関わりでそこをもう少しスムーズにできればと思って今、合気道を習っています。そしたら夫も付いてきて一緒に通うように。

 夫とは言葉がかみ合わないことが多く、それで私がとがめても肯定的に解釈し直され、ありがとうと言われ、最後は自分で自分を褒める。そんなに自分を肯定できたら世界平和につながるなって。変な人だけど結婚してよかったと今思えるので、あの時、背中を押した声は未来の自分だったのかな。

(構成・桝郷春美)

AERA 2024年4月8日号

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