謝罪する小林社長(左から2人目)ら小林製薬の幹部

 ただ、小林製薬の小林社長は29日の会見で、万博のスポンサーの件ついては、

「万博のことは意識しておりませんでした。持ち帰り議論したいです」

 と述べ、今後の方向性については言及していない。

 万博のキャッチコピーは「いのち輝く未来社会のデザイン」だが、今回の小林製薬の件は、健康被害が指摘されている問題だ。

 厚労省などは30、31日と連日、同社の大阪と和歌山の工場へ立ち入り検査した。今後の原因究明が待たれる。

入社式は中止「入社をやめようか…」

 小林製薬は4月1日に大阪市内で予定していた入社式を中止した。

 入社辞退者は今のところいないようだが、新入社員の一人は、

「いくつか内定をもらったが、この会社がいいと思って選びました。まさかこんなことになるとは。信じられないです。ニュースを見ているとあまりに被害が大きくて、入社をやめようかとも思い始めています」

 と不安を口にした。

 また現役の社員は社内の様子についてこう語った。

「今、会社の中は電話、メールなど被害報告、相談でてんやわんやです。社員全員がこの問題に対応している状況です。サプリメント系統の商品はサンプル、お試し品としてタダ同然で配ったり、関連がある会社に無料で渡したりすることもあります。紅麹原料を卸している会社は世界中にあり、今も追跡ができていません。どこまで被害が広がるのか心配でたまらないです」

(AERA dot.編集部・今西憲之)

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