「ちょい足し」で老けなくなる最強食材とは

「手抜き料理のほうがかえって栄養素が残っていることも多いです。美白に効果的な『赤色』の代表格はトマトですが、そこに含まれるリコピンはジュースのほうが体に吸収されやすい。水を飲み続けた群と比較すると、トマトジュースを飲んだ群では12週間後に目の近くのしわが消えたという研究報告があります。トマトジュースを飲むことは野菜の“ちょい足し”にもなりますね」

“ちょい足し”に向いているものには、ほかにもブロッコリーの新芽「ブロッコリースプラウト」がある。老ける元凶・AGEを抑える力がブロッコリー(老けない野菜5位)の7倍というから、サラダに添えれば老けない効果が何倍にもアップする。

「枝豆もお勧めです。コンビニであればそのまま食べられる形で販売されています。枝豆にはビタミンB1、ビタミンC、鉄などが含まれ、疲労対策にも良いです」(岸村氏)

 ところで、加熱向きで調理に時間を要する老けない野菜もある。冒頭の「黒色(食物繊維が豊富)」に分類される「ゴボウ」だ。きんぴらゴボウはゴボウをササの葉の形のように薄く削って、ごま油で炒める料理だが、意外にも「加熱するほど抗酸化力が高くなる」と岸村氏。

“腸の掃除屋”といわれるほど効果絶大

「ゴボウには食物繊維しかないと思われがちですが、クロロゲン酸というポリフェノールも多い。3分より5分、5分より10分と、長い時間炒めたほうがクロロゲン酸が多くなるというデータがあります」

 田中氏は「特にゴボウは“腸の掃除屋”」と説明する。

「腸内の不要な物質を便として排出し、老化防止に働きます。また、ゴボウにはアルギニンという成分が多く含まれるのですが、これは元気が出るドリンクに使われる物質。ですから滋養強壮に効果がある料理といったら、私は“きんぴらゴボウ”を挙げますね」

 美白に効く赤色、紫外線から肌を守る緑色、目にいい紫色、腸を掃除する黒色。鮮やかな色を意識し、さまざまな野菜を食べよう。すると自然と多様な成分を摂ることになる。そして生と加熱料理の両方の食べ方を取り入れれば、生=酵素&ビタミン、加熱=野菜の量という双方の良さが手に入るのだ。