前述した5色のうち、一番大切な色を挙げるなら「緑」だ。

 ちょうど旬を迎えた菜花(菜の花)やタラの芽、フキノトウなどの春野菜も緑色、つまりβカロテンが豊富。βカロテンを摂取すると、粘膜の再生や潤いにつながり、暖かくなるにつれ強まっていく紫外線から肌を守ってくれる。

胃もたれを起こしやすい人は生野菜のほうがいい

「シミやシワができるのを予防する作用もあります。βカロテンは油と一緒に摂ることで吸収率が高まるので天ぷらでいただくのもいいでしょう」(望月氏)

 また春野菜は“ほろ苦さ”が特徴だが、これは抗酸化成分と同じように、植物が昆虫や動物、微生物から自身を守るために含む微量の毒素「植物性アルカロイド」によるもの。人が摂取すると、「腎臓の機能が促進され、冬に停滞した新陳代謝を活発にし、老廃物を体外に排出するのを助ける作用がある」(同)という。

 さて野菜を食べる時は加熱すれば「量」がとれるが、一方で生野菜には「酵素やビタミン」が含まれる。

「年齢とともに体内で酵素が減りがちで、栄養素の消化吸収も衰えます。野菜本来がもつ酵素を生野菜によって摂ることで消化が助けられ、それによって代謝も高まることが期待できるでしょう。特に胸焼けや胃もたれを起こしやすい人、太りやすさを感じている人は生野菜摂取を意識しましょう」

 まさしく旬の新玉ねぎや春キャベツも柔らかいので、加熱調理よりも生食向き。生野菜で食べると、熱や水分に溶けやすいビタミンCやビタミンB1、血液の流れを促進する玉ねぎの硫化アリルなどを効率的に摂取できるのだ。望月氏が「ビタミンB1は疲労回復はもちろん、神経を鎮めて質の良い睡眠に働きかける」と補足しつつ、超簡単レシピを紹介してくれた。

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