企業の存続に欠かせないキャッシュ・フロー。しかし、経営者や会計の専門家でなければ、なぜ重要視されているのか、ぼんやりした理解のまま働いている人も多いのではないか。その必要性を、米国クレアモント大学ピーター・ドラッカー経営大学院でMBAを取得し、経営コンサルタントとして活躍する國貞克則氏の新著『財務3表一体理解法 「管理会計」編』(朝日新書)より一部を抜粋、再編集して紹介する。
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キャッシュフロー・マネジメントとは何か
キャッシュフロー・マネジメントとはその言葉のとおり、企業を存続させていくためにどうにかうまくキャッシュ(現金)を活かしていくということです。具体的には営業キャッシュフロー・投資キャッシュフロー・財務キャッシュフローのそれぞれのキャッシュフローと、これら3つのキャッシュフローの全体をマネジメントしていくことです。
では、キャッシュフロー・マネジメントの内容を一つひとつ説明していきましょう。
CSの一番上の営業キャッシュフローのマネジメントとは、営業活動によって入ってくる現金を増やすことです。それは、営業収入を増やし、商品の仕入支出や人件費支出などの支出を減らすことです。そのことは基本的には利益を増やすこととほぼ同じです。
ただし、営業キャッシュフローを増やすことと利益を増やすことにはいくつかの違いがあります。
投資キャッシュフローのマネジメントとは、適切な投資対象に適切なタイミングでキャッシュを使っていくことです。事業とは【お金を集める】→【投資する】→【利益をあげる】という3つの活動が基本です。その中でも投資は極めて重要な活動です。何に投資するかが事業の成否を分けることになります。