【5】運動やサウナは痛風にもいい?

 まず運動について、答えは△です。他の生活習慣病では運動によるダイエットが推奨されますが、高尿酸血症については一部例外あり。減量は〇ですが、激しい運動は×で尿酸値が上がります。そのメカニズムを久留医師はこう話します。

「筋トレなどの激しい運動は尿酸を産生する物質『ヒポキサンチン』を作るため、尿酸値が上がってしまうのです。運動はウォーキングや軽い水泳などの『有酸素運動』やストレッチ、ラジオ体操などがいいでしょう」

■ストレスは尿酸値を上げる

 サウナには注意が必要で、理由は「脱水」です。たくさん汗をかいて血液がドロドロになると、一時的に血中の尿酸の濃度が高くなり、痛風発作が起きやすくなります。これは、普段の生活でも同じことが言えます。脱水を防ぐために日頃から水分をしっかり取り、サウナや入浴時、運動時はとくに気をつけて補給してください。

 また、自律神経が高揚すると尿酸を合成する「キサンチン酸化還元酵素」の働きが強くなるため、「ストレス」も尿酸値を上げるとのこと。

 仕事や家事をバリバリこなし、ランや筋トレで追い込んだ後はサウナでととのえる。食事は脂肪の少ないたんぱく質をたっぷり取り、プリン体と糖質の少ないお酒をゆっくり楽しむ――。ストイックで健康的なライフスタイルの追求は、尿酸値が気になる人には少し注意が必要なようです。

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(取材・文/アエラムック医療班)

【取材した医師】
両国東口クリニック 理事長 大山博司 医師
国立病院機構米子医療センター 院長 久留一郎 医師
山王メディカルセンター 院長 山中 寿 医師

大山博司(おおやま・ひろし)医師 両国東口クリニック 理事長
大山博司(おおやま・ひろし)医師 両国東口クリニック 理事長
久留一郎(ひさとめ・いちろう)医師 国立病院機構米子医療センター 院長
久留一郎(ひさとめ・いちろう)医師 国立病院機構米子医療センター 院長
山中 寿(やまなか・ひさし)医師 山王メディカルセンター 院長
山中 寿(やまなか・ひさし)医師 山王メディカルセンター 院長