プリン体は1日400mg以内に

 参考にする際のポイントは二つあります。一つは、リストは100g当たりの含有量であること。表を見ると、プリン体は動物の内臓や一部の魚介類、干物や乾物などに多く含まれる傾向がありますが、数字は100g当たりの含有量なので、そこから自分が「1回、1食に食べる量」に換算して考えるのが大切です。たとえば、肉や魚なら100g以上食べられるという人もいるでしょう。がっつり系の定食やどんぶりのなかには、数百g使っているものもあります。一方、干しシイタケやかつお節を1回に100g食べるのは、まずないことです。

 もう一つのポイントは、プリン体はうまみの成分でもあり、大半の食物に含まれるという点です。プリン体が少ない食品を選んでいても、日頃の献立に置き換えて計算したら思ったより摂取量が多かった、しかも似たようなメニューをひんぱんに口にしている、なんてことがあるかもしれません。

「プリン体の摂取量は1日400mg以内を目標にしましょう。脂身が少ない部位であっても、たんぱく質の多い主菜の食べすぎには注意。海藻や野菜などでかさ増しするのがいいですね。高プリン体食品についても、日常的に大量に食べるのは問題がありますが、たまに食べる分について神経質になる必要はありません。肥満の解消も高尿酸血症には大切なことです。要するに、プリン体含有量、尿酸値だけに注目するのではなく、カロリーや体重などほかの要因も含め、『全人的』に考えるほうが分かりやすいと思います」(山中医師)

【3】お酒を飲まなくても高尿酸血症・痛風になる?

 答えは〇です。20歳未満や下戸、普段お酒を口にしない人でも高尿酸血症や痛風になることがあります。遺伝的な要因で高尿酸血症を発症します。また、高尿酸血症の患者数は近年増え続け、さらに若年化も進んでいて、「50年ほど前と比べると、初めて発症を経験する年齢が10歳程度若くなり、40代になっています。食生活の欧米化や高カロリー摂取、運動不足などが影響しているからと考えられています」と久留医師。

 ひとつ前のトピックで、日頃食べられている一般的な食品の大半がプリン体を含んでいると記しました。肥満、つまり常に食べすぎている状態では、プリン体の総摂取量が「ずっと過剰」になっている可能性が高いのです。

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痛風より怖いリスクが、高尿酸血症にはある