次に中盤、アンカーの位置には長谷川唯(代表通算80試合出場:2017年~)を選ぶ。高い技術と傑出したパスセンスで人気と実力を兼ね備えた司令塔。攻撃力が最大の魅力だが、現在所属しているマンチェスター・シティではアンカーの位置でプレーし、ボールを回収しながら長短織り交ぜたパスで存在感を発揮している。そして2枚のインサイドハーフには、文句なしで澤穂希(代表通算205試合出場:1993~2015年)、そして宮間あや(代表通算162試合出場:2003~2016年)を配置する。澤に関しては今さら語る必要のない日本女子サッカー界最高のレジェンドであり、攻守において絶大な存在感を示してもらう。一方、性格無比な両足キックで相手の急所を突くパスが魅力の宮間も、代表通算出場では澤に次ぐ歴代2位の数字を誇る不世出の天才ゲームメーカー。歴代ベストイレブンからは外せない。

 続いて3トップの左には、川澄奈穂美(代表通算90試合出場:2008~2018年)を置きたい。スピード、テクニック、スタミナに優れ、国内外で長く活躍して38歳となった今も現役を続けるエネルギッシュな万能アタッカーに、左サイドからのチャンスメイクを託す。そして3トップの右は、岩渕真奈(代表通算89試合出場:2010~2023年)だ。切れ味鋭いドリブルを最大の武器に16歳でA代表に選出されて以降、なでしこの未来を背負い続けた。俊敏性を生かし、セカンドストライカー的な動きからゴールを決めてもらいたい。

 最後の一人、1トップのFWは永里優季(代表通算132試合出場:2004~2016年)だ。フィジカル能力に優れ、相手DFを背負ってのプレーが可能で、自ら前を向いて個の力で突破し、決め切ることもできるストライカー。なでしこジャパンでの通算58得点は、澤(83得点)に次ぐ歴代2位の数字であることでも証明されているように、実に頼れる点取り屋であり、歴代ベストイレブンに相応しい名選手だ。

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