金仁淑氏(撮影 高野楓菜/朝日新聞出版写真映像部)
この記事の写真をすべて見る

第48回「木村伊兵衛写真賞」(主催・朝日新聞社、朝日新聞出版)が金仁淑(キム・インスク)氏とその作品に決定しました。金氏には賞状と賞牌(しょうはい)、副賞100万円が贈られます。

【写真】6人の作家をノミネート! 第48回木村伊兵衛写真賞

*  *  *

 対象作は 10 チャンネル・ヴィデオ・インスタレーション「Eye to Eye」、写真と4チャンネルのビデオで構成されるインスタレーション「Between Breads and Noodles」です。

作品名《Eye to Eye, 恵比寿映像祭2023 Ver.》/10チャンネル・ヴィデオ・インスタレーション、2023年/恵比寿映像祭2023「テクノロジー?」コミッション・プロジェクト展示より(提供:東京都写真美術館 撮影:井上佐由紀)

 金氏は1978年大阪府生まれ。2005 年に韓国の漢城大学芸術大学院を修了し、現在はソウルと東京を拠点に制作活動を展開。

コミュニケーションを基盤に

 多様な「個」の日常や記憶、歴史、伝統、関係性、共同体の中に存在する個々のアイデンティティーなどをテーマに、移民や地域のコミュニティーの人々とコミュニケーションを基盤としたプロジェクトを行っています。

 木村伊兵衛写真賞は、故・木村伊兵衛氏の業績を記念し、1975 年に創設。各年にすぐれ た作品を発表した新人写真家を対象に表彰しています。受賞者は、写真関係者からアンケー トによって推薦された候補者の中から、選考会によって決定されます。

 第48 回の同賞は、既に発表されたノミネート6人(うつゆみこ氏、金川晋吾氏、金仁淑氏、清水裕貴氏、中西敏貴氏、村越としや氏)の作品から選考委員 4 人(写真家・大西みつぐ氏、長島有里枝氏、澤田知子氏、今森光彦氏)による討議を重ねて確定しました。

 以下に、選考委員のことばを全文掲載します。

次のページ
動く写真の必然