打席に立つソフトバンク・山川穂高の表情が、硬くなっているようにも感じた。
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3月16日のオープン戦・西武戦(ペイペイドーム)。昨年までプレーした古巣との対決に「4番・一塁」でスタメン出場した山川が、初回2死一塁で1打席目を迎えると、左翼席の西武ファンからブーイングが飛んだ。ソフトバンクファンからはブーイングをかき消すような大きな拍手が送られ、異様な雰囲気に。空振り三振に倒れると西武の応援席から大歓声が。続く第2打席も空振り三振すると、再び大歓声が起きた。
試合を取材したスポーツ紙記者は振り返る。
「山川もブーイングは覚悟していたでしょう。ペイペイドームだったので完全アウェーの雰囲気ではなかったのですが、西武の本拠地・ベルーナドームで開催される公式戦は、今日の試合の比にならないほどの大ブーイングが起きると思います。集中力を高めるのが難しい環境ですが、ソフトバンクのために結果を出すしかありません」
育成能力が非常に高い
西武は主力選手がFAで他球団に流出してきた。涌井秀章(中日)、片岡治大(元巨人)、岸孝之、浅村栄斗(楽天)、森友哉(オリックス)……。山川がソフトバンクに移籍したことで12球団最多の21人が移籍している。なぜ、毎年のように主力が流出するのか――。スポーツ紙デスクは、こう語る。
「西武は選手の長所を伸ばす方針で、育成能力が非常に高い。FAで主力選手がどんどん抜けてしまうのは、資金力のあるソフトバンク、巨人にマネーゲームでは太刀打ちできないというのが背景にあります。ただ、それだけ能力が高い選手が多い証だとも言えます。浅村、森、山川と移籍先のチームでも4番を任されていますから」