皇太子さま50歳の誕生日に公表された1枚。真剣な表情でカードを引く愛子さまと、見守る両陛下=2009年、東宮御所、宮内庁提供

 たとえば、この1辺が5センチのネフスピールを組み合わせてゆくと、積み木の長さが規則的な間隔で増えていくことに気づく子どもも、なかにはいるだろう。遊びのなかでこうした数学的な法則を体感し、経験を獲得できるのが魅力のひとつでもある。

「テストはマルかバツかの世界ですが、積み木は組み立てては崩しという実験の世界です。挑戦してみて、大いに失敗と再挑戦を経験できる遊びです。テストのようにすぐに結果が目に見えませんが、地中に根を張る樹木のように、お子さんのなかで確実に知の根を張っています。真剣に遊ぶお子さんを認めてあげることは、とても大切なのです」
 

2009年の新年に公表された平成の天皇ご一家。愛子さまと悠仁さまが遊ぶのは、北海道で木製の玩具を制作する「三浦木地」による「さざなみ」という玩具。木の玉がコロコロと心地よい音色で転がり落ちる=皇居・御所、宮内庁提供

 皇室の知育玩具選びについて、藤田さんはこう話す。

「皇室の方々もそれなりにデジタルの世界にも通じていらっしゃるとは思います。一方で、お子さまの教育に関しては実体験を大切にし、家族で一丸となってゲームを楽しみながらコミュニケーションを図っていらっしゃる。ホッとするような光景です」

 小さな愛子さまを囲んでの一家団欒の写真。そこに写っているものうかがえるのは、愛子さまに対する深い愛情と大きな期待だ。(AERA dot.編集部・永井貴子)
 

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