ざっくり言うと、日銀が金融緩和を縮小→銀行貸出金利の上昇→多くの人の不動産購入の意欲減少→不動産価格下落への懸念→東証REIT指数が下落という構図を見るのに、使える株価指数ということです。逆に、日銀が金融緩和を拡大→銀行貸出金利の下落→多くの人の不動産購入の意欲増加→不動産価格上昇への懸念→東証REIT指数が上昇という構図も成立しやすく、安倍晋三元首相下での金融緩和政策では、実際に不動産価格の上昇も進みました。今は、日銀が金融緩和を縮小するかもしれないという懸念から、東証REIT指数が下落し続けており、実際に身の回りの不動産価格も下がり始めるか注目されているのです。
「でも、23区の新築マンション平均価格が1億円を超えたりして、不動産価格は絶好調じゃないか!」と、ここまでの話を読んで違和感を覚えた人は少なくないと思います。まず、押さえておきたいのはメディアで報道されることが多い新築マンション価格は定価がベースになっており、東京の都心にある超高級マンションなどで平均価格が上昇しやすいということです。
マンション価格の動向を指数化したものは国土交通省のホームページで入手できるのですが、東証REIT指数だけでなく、日経平均株価と強く相関することが知られています(因果関係があるとの研究報告は見つけられなかったので、あくまでも参考資料として見てください)。となると、足元で東証REIT指数だけでなく、日経平均株価が崩れ始めたら、新築マンション価格の上昇に確信を持って不動産投資をするというのは、リスキーかもしれません。