日経平均が4万円をつけて浮かれムードも出てきましたが、実は株式市場では不気味な動きも起きています。株式市場における相場格言に、「国策に売りなし」という言葉があります。これは、株式市場に大きく影響する財政政策・金融政策という国策が積極的に行われたら株は上がりやすく、逆ならばどんな好業績企業の株でも下がりやすいということを示しています。特に注目されているのが、日本の金利動向を決める日本銀行が、金融緩和を縮小するかどうかです。具体的には、ゼロ金利政策の解除、長期金利の更なる上昇を認めるとなれば、お金を調達するためのコスト=金利が上昇し、株式市場に流入する資金が減り、日経平均だけでなく、株式市場全体で下落が強まる可能性があるということです。そして、この日銀の動きを予見してか、金利上昇への懸念が高まると下落しやすい、東証REIT指数という株価指数が、日経平均とは対照的に今年3月に昨年来安値を更新しているのです。
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東証REIT指数とは、東京証券取引所に上場している不動産投資信託(REIT)全銘柄から算出された株価指数です。投資家から注目される理由には大きく2つあります。まず、不動産市場のトレンドを予想するのに使える指数という研究報告が日米で存在し、今後の不動産市場を予見するのに重宝されているからです。そしてもうひとつは、不動産価格は金利に敏感に反応するため、金利上昇に対して世の中の不動産の購入意欲がどう変化しているかを見るのに使えるからです。