日産自動車の高級セダン「セドリック」や「グロリア」の上級車種として1988(昭和63)年に発売された初代「シーマ」。バブル景気といわれる中で爆発的にヒットし、「シーマ現象」は同年の新語・流行語大賞の流行語部門・銅賞を受賞した。
このシーマに、90(平成2)年から30年以上乗り続けているのが、俳優の伊藤かずえさんだ。2020年、伊藤さんが愛車の1年点検の様子をSNSに投稿し、投稿を見たSNSユーザーから「日産はレストアを検討して!」「やっちゃえ、日産!」という声がわき起こった。その後、日産がレストアに乗り出したことは車好きには知られた話だ。
伊藤さんは、3月20日発売の『TOKYOレトロ探訪 後世に残したい昭和の情景』でインタビューに応え、シーマへのこだわりや思いの丈を語っている。本の発売を記念して、そのインタビューを公開したい。
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シーマは、私が買った3台目の車です。3年乗った後に、買い替えようとは思ったんですが、当時、乗りたい車が他にありませんでした。
もともとの造りや素材が良かったというのもあるとは思いますが、特にシートの座り心地が気に入っていたからです。もう少し乗ろうという気になり、車検はもちろん、ことあるごとに調整をしてもらっていました。自分の中では、「ただ大切に乗ってきた」結果として、30年たったっていう感覚です。
シーマを買ったのは24歳ぐらいの時でしたが、20代前半の女性がこのセダンに!って思ったこともありました。その前は、スポーツタイプの車に乗っていたんですけど、初めてのシーマに試乗した時に、いい感じって思って、今まで乗ってきた車より、体にフィットする感じがありました。
実際に乗ってみると、大きく見えても小回りも利くし、立体駐車場で「3ナンバーは、入れません」という場所でも、ギリギリ入れちゃうんです。幅はそんなに広くないんです。今のクラウンとかと比べて全体的にコンパクトに仕上げてあるのも気に入っているところです。さらに、視界が広いので、運転しやすい。車高も低いですしね。慣れているってこともあると思いますけど。