純喫茶ジンガロの店内にはテーブル型のテレビゲームが並び、阪田さんは夢中になってプレイ。「昭和が好き」という気持ちが、好奇心の強さや行動力の源となっている

 今は実用性を求めてシャープで洗練されているものが世にあふれていますが、昔の映画に出てくる、あまり意味を感じない豪華さがたまらなく面白いなと思いました。 私はまだ22歳(インタビュー当時)ですから、懐かしさはないけれど、魅力は十分です。逆に新しささえ感じました。家庭用の黒電話とか、ピンクの公衆電話がとても新鮮に映りました。

 ヤンキーに憧れて、彼らの格好をまねした時期もありました。全然洗練されてない、泥臭さみたいなものに惹かれたんです。「ビー・バップ・ハイスクール」とか、ヤンキー漫画にハマって、気がつくと登場人物を本当に好きになって恋をしていた自分がいました。彼らと付き合いたいとさえ思っていましたが、それはかないませんでした。

 社会全体もおおらかで、特に女性は、強さまで持っていました。今だったら、不倫は絶対に許されませんよね。でも、ある歌手の方の不倫が報じられた時、「それでいい楽曲を作れるんです」みたいなことを奥さんが言ったというのを聞いて、興味深いなぁーって。不倫なんかで騒がない、強い部分があったのかなって、ますますそんな時代にのめり込んでいく自分がいました。

 あと、私がいいなぁって思うのが、こだわりが強くて、ものを捨てない人が多かったところです。

 ハチマルミーティング(旧車オーナーの交流イベント)に行ったことがあるのですが、見たこともないような車がたくさん並んでいました。人気のある車ってみなさん乗り続けるんです。並んだ旧車を眺めながら、メチャ格好いいと実感しました。

 カクカクした形がたまらなく好き。映画「シャコタン・ブキ」を見てますます好きに。車の中に電話がついていたり、ベルベットで覆われたシートもたまらないですね。

 私が好きなのは、ソアラ、スカイライン、マークⅡあたりですかね。当然昔のですよ。実際に欲しいと思っているのは、Y30セドリック、ソアラの10系、マツダの初代ロードスターあたりですね。

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「昭和」に生まれたかった