インタビューした日のブラウスは、おばあちゃんからもらったもの。キュロットはかつて人気を博したエンリコ・コベリ。昭和を意識した三つ編みもよく似合う

 あとは、フィルムカメラにも興味があります。壊れたら修理屋さんに持っていくという概念が、現代人には希薄な感じがします。でも、カメラ自体高いものだし、捨てちゃうのはもったいないと思っています。

 もっといえば、昔使っていたカメラが壊れて、修理屋さんで直してもらえば、使っていた当時の思い出までよみがえるはずです。直るものなら直して使いたい。できれば、部品でさえも新しくするのではなく、当時の部品をどこかから探してもらってそれで修理してほしいぐらいですね。

 私は今、「ネオ昭和」という言葉をキーワードにして、活動をしています。私より後の世代や自分の周りにも広めたい。この言葉は、私のオリジナルと自負していますが、元になっているのは、マンガ「AKIRA」に出てくる、「ネオ東京」です。 その中で提唱しているのは、「令和と昭和の融合体。はやってるものと昭和のものを合わせたもの」です。言い換えると、自分が一番かわいい状態でいられるのがネオ昭和ということになります。

 例えば、服装は昭和だけど、化粧は、今どきの化粧品を使ったりとか、前髪もバブル期のトサカじゃなくてハイレイヤー、スカートははやってたブランドのもの、というコーデがネオ昭和のファッションです。かわいいでしょう?この格好が、自分自身もしっくりくるんです。

 ネオ昭和という言葉をキーワードにしながら、昔ながらの店がつぶれちゃったり、喫茶店がなくなったりすることが減るように、もっと昭和好きな若い世代を増やすことによって、店を継いでくれる人が出てきたりという流れを作りたいと思っています。

 私は、できれば「昭和に生きたい」と思っています。実は、映画を見て落ち込むことがあります。「なんでこの時代に生まれなかったのか」って。でも、私がネオ昭和を発信している限りは、続いていくと信じて活動を続けていきます。そこから「正」の連鎖が生まれていけば最高です。

(文 今村博幸 写真 岡本 央/生活・文化編集部)

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