当時、壱成が所属した芸能事務所チキンボーイの社長は石田純一、副社長は千明さんだったという。
あるとき、壱成がもらうギャラで揉めたことがある。千明さんからは「ごめんなさい」と書いた手紙を受け取ったという。手紙は何を意味するのだろうか。
「どういう『ごめん』だったのか、今となってはわかりません。私へのギャラの配分だったのか、石田との夫婦関係がうまくいかなくなったことに対してなのか」
千明さんは石田と別居状態を経て、すみれを連れてハワイに移住。1999年に石田と離婚した。離婚後もハワイに住んでいた。再婚し、男児が生まれた。
「すみれからすると弟ですね。すみれが一度、『弟だよ』って写真を見せてくれたことがあります」
一方で壱成の芸能生活は、27歳の夏に転落。2001年8月20日、大麻取締法違反(所持)で逮捕されたのだ。起訴され、3カ月の拘置所生活を送った。大阪地裁では懲役1年6カ月、執行猶予3年の有罪判決を受けた。
「仕事が全てなくなってしまいました。当時、友人から葉っぱではなく、大麻樹脂をもらったんです。気を紛らわせるために手を出してしまった。そのことについては自分を悔いております。ずっと反省し続けています」
いま、華麗なるファミリーが大集合することはあるのだろうか。
「年末年始に、たまに顔を出していますよ。昨年は千明さんが亡くなったこともあって、なかったですがね……」
壱成は、父と千明さんの死を悼んだ。
「父はかなり落ち込んでいました。キツいけどお互いがんばろうと励まし合いました」
現在、壱成には映画と舞台の仕事が舞い込み、「復帰途上の段階」なのだ
という。昨年末に公開された映画「TURNING POINT2」に特別出演。これから公開予定なのは、漫画「100日後に退職する47歳」が映画化された主演作だ。父・石田純一と壱成の親子初共演で話題の映画「散歩屋ケンちゃん」の公開も控えている。
「映画以外にも、昨年、舞台に復帰させていただいて、今年も舞台が3本くらい決まっています。もらう役柄は躁鬱病とか多重人格とかサイコパスとかの役柄が多いですね。一筋縄ではいかない役が多くて、今から気が引き締まります」
時代の歯車が再び、壱成と噛み合おうとしている。(AERAdot.編集部 上田耕司)