起業してからは経済的に苦しい時期もあった(事務所提供)

口座残高が「700円」のときも

 しかし、当時は「毎日心臓がヒヤヒヤしていました」と話す。

「ある日、口座を見たら、残高が700円くらいしかないときがあったんです。3人子どもがいるのにですよ? いつも寝る前とかに心臓がすごいギューッてなってました。『明日どうしよう』って。銀行にお金を借りられるようになるのも、何年か実績を積んで会社が成長してからですし。でも、追い詰められている姿は絶対に子どもたちに見せたくなかったし、もうつらいとか大変って言葉を子どもたちの前で絶対に使いたくありませんでした。そのときはもちろん大変だったんですけど、結果として、あそこで一歩踏み出してよかったなと、今は思っています」

 波瀾(はらん)万丈な人生を送ってきたMALIA.さん。これまでで一番つらかったのはいつなのか。

「ずっとつらいですよ。毎日大変です。でも言わない。私っていつも笑ってるんです。だから、他の人からは『MALIA.ちゃんってホントに悩みなさそうだよね』とか『苦労してなさそうだよね』とかって言われるんですけど、『そんなわけないじゃん!』って思うんです。20代で会社を立ち上げて、さっき言ったみたいに口座に3桁しか残ってないってヤバいじゃないですか(笑)。これも10年以上たったので言えますけど、当時はヒヤヒヤすぎて言えなかったですよ。長い間、心にしまっていたんです。そういうつらいことがあっても、私はニコニコ笑っていましたね」

 末っ子の三男(5)は、これからまだまだお金がかかる。

「彼が大学に進学するって考えたら、あと20年ぐらいは働かなきゃいけないですし。まだまだこの先20年何があるかわかんないですよね」

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「自分は弱いって思わないでほしい」