天皇陛下は2月の誕生日に際しての会見で、能登半島地震の犠牲者への思いを述べられ、被災地訪問の意向を示した。国民に身近な存在として、距離感を意識してきた天皇、皇后両陛下や皇族方。そんな皇室の「あのとき」を振り返る(この記事は「AERA dot.」に2023年10月22日に掲載された記事の再配信です。肩書や年齢等は当時のもの)。
【写真】姿勢がなんとも美しい…思わず見ほれる雅子さまのおじぎ
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皇室の公務ラッシュとなる秋。天皇、皇后両陛下は10月に石川県、鹿児島県を相次いで訪問したが、いずれも雨に見舞われた。以前から天皇陛下は「大きな行事の際に雨が降る」と言われたり、その一方で「大事なタイミングでは晴れる」とも言われたり。果たして陛下は「雨男」なのか、「晴れ男」なのか――。
10月15日、石川県の小松空港周辺は大雨に見舞われていた。時折、雷鳴も聞こえた。
この日、「いしかわ百万石文化祭」に出席するため、天皇陛下と雅子さまが東京から空路で到着する予定になっていた。
おふたりが載る特別機の到着時刻が近づくと、雨が小降りになり青空まで出てきた。空港で到着を待っていた男性は、天候が回復しつつあることに一安心していた。
しかし、特別機にトラブルが発生。羽田空港で別の機体に乗り換えることになり、おふたりの到着は1時半ほど遅れる事態となった。
一方の小松空港は、再び雷雨になった。天候不良で着陸を見合わせ、上空で待機する便もあったという。
おふたりが乗り換えた予備機は、12時15分過ぎに小松空港に無事に到着。現地にいた報道関係者によると、それまでは土砂降りだったが、予備機が到着する頃に雨は再びおさまったという。
小松空港にいた男性は苦笑する。
「濃霧が立ちこめるなかでの着陸でしたから、ヒヤヒヤしました。しかし、雷雨だったのに、飛行機の到着時刻に合わせたように、二度も雨がおさまった。不思議なこともあるものだと、妙に感心しました」