1993年6月9日、おふたりのご成婚の日も、朝から雨だった。
それが夕方からのパレードの直前に雨があがり、薄日さえ差した。おふたりを乗せたオープンカーは皇居前広場、新宿通り、そして東宮仮御所へと走り、沿道に集まった大勢の人びとの祝福を受けたのだった。
さらに印象深いのが、2019年の即位式だ。
10月22日、天皇陛下が即位を宣言する「即位礼正殿(せいでん)の儀」が執り行われた。午後に行うはずだったパレードは、東日本を襲った台風19号の被災者に配慮して、11月に延期されている。
「即位礼正殿の儀」は、直前に雨風が強まり、中庭に装束姿で並ぶ職員の配置の一部を宮殿内に変更することに。しかし、始まる前に雨はあがり、空には大きな虹が弧を描き話題になった。
そのほか、雨のシーンはたびたびあった。
愛子さまが通う学習院幼稚園で06年にあった父親参観では、大きな傘を差す愛子さまが皇太子さま(当時)と手をつないで歩く愛らしい光景があった。
08年の愛子さまの学習院初等科の入学式も雨模様。17年の高等科の入学式では、傘を手にご家族3人で楽しそうに式に向かう様子が印象的だった。
皇室を長年取材するベテランカメラマンは、こう話す。
「皇太子の時代は、ご夫妻のおでましは雨に突然降られることも多いので雨具は常備せよ、というのが我々の認識でした。しかし、令和に入ってからは、たとえ天候が雨であっても、到着や出発の瞬間に雨がやむ場面が増えたように思います」
晴れるか、雨が降るか。コロナ禍も収まって各地での公務が増えるなか、「論争」はさらに活発化しそうだ。
(AERA dot.編集部・永井貴子)