pecoさん/撮影:上田泰世(写真映像部)

ryuchellはヒーローだった

 私、嘘をついたり自分を偽ったりするのがほんとにできないんですけど、ryuchellはそういう私の気持ちを知っているから、いつもすごく守ってくれました。テレビで私がおバカな発言を求められたら、その瞬間サッと私の前に出て、代わりに言ってくれたり。だから私にとってryuchellはヒーローだったし、ryuchellのおかげで割と自然体で生きてこられたと思っています。
 

――「自分らしく生きていい」というメッセージは、息子さんにも日々伝えていますか?

 そうですね。たとえば、息子は何か物を選ぶとき、「僕は男の子だからブルーにしよー」って言うことがあるんですけど、そういうときは「そっかそっか、いいやん。でも別にピンクとかでもいいんじゃないの?」みたいな感じで、さらっと伝えるようにしています。

 でも誤解してほしくないのは、ブルーが男の子の色でピンクが女の子の色って思う人もいるし、それはそれでいいっていうこと。「ママは性別と色は関係ないと思ってるけど、そういう考えの人がすごいわけではないよ」っていうのはいつも息子に言っているし、どんな考えであっても誰かに押しつけるのはよくないこと。だから、「いろんな人がおるからな」っていうのが私の口癖です。

 この前、息子がお友達と「誰と結婚するの?」っていう話をしていたんですよ。みんなは「自分は○○ちゃん!」みたいな感じで盛り上がっていたんですけど、息子は「でもさー、男の子と男の子が結婚することもあるし、女の子と女の子が結婚してもいいんだよ」って普通に言ってて。友達はシーンとなっていましたけど、息子の根本に、「いろんな人がおる」っていう考え方がちゃんと育っていたことがすごくうれしかったです。
 

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