pecoさん/撮影:上田泰世(写真映像部)

「育児なんて母親にやらせておけばいい」に衝撃

――日常生活の中で、“女性だからこその生きづらさ”を感じることはありますか? 

 私自身はないし、周りのママからもそういう話はあまり聞かないですね。

 お友達に、私なんか話を聞いても1ミリも分からないような難しい仕事をしている、超キャリアウーマンのママがいるんです。で、スクールが長期のお休み中で、どこにも子どもを預かってもらえないときは、ママだけじゃなくてパパも自分の会社に連れて行ってくれるそうで、すごい素敵ですよね。

 あ、でも、別のお友達の旦那さんは、赤ちゃんが生まれて育休を取ろうとしたら、上司に「育児なんて母親にやらせておけばいいんだよ」って言われたらしくて。そんな人ほんまにおるんやってびっくりしました。だって子どもって、母親の子どもじゃなくて、父親と母親の子どもなのに。
 

――社会に根を下ろしている、“男だから/女だから”という意識を変えるにはどうすればいいのでしょうか?

 正直、今すぐどうにかするのは難しいと思います。でも、新しい価値観のもとで育つ子どもたちが増えてくれば、もしかしたら30年後には、今みんなが求めている世界に近づけるかもしれない。

 私、息子には、男女だけじゃなく仕事とかでも人を格付けする大人にはなってほしくありません。たとえば、ゴミ収集とか駅の掃除って、レベルの低い仕事だって言われることもありますけど、信じられないんですよ。むしろ一番かっこいいやん!って。だから街でそういう方を見かけたら、息子に、「ああやってお掃除してくれる人がいるから、きれいな道を歩けるよね、ありがとうだよねー」って伝えています。
 

次のページ 勇気をくれるものは