モノを押し込む物置部屋として使っていた書斎/ビフォー
モノを押し込む物置部屋として使っていた書斎/ビフォー
この記事の写真をすべて見る

 5000件に及ぶ片づけ相談の経験と心理学をもとに作り上げたオリジナルメソッドで、汚部屋に悩む女性たちの「片づけの習慣化」をサポートする西崎彩智(にしざき・さち)さん。募集のたびに満員御礼の講座「家庭力アッププロジェクト®」を主宰する彼女が、片づけられない女性たちのヨモヤマ話や奮闘記を交えながら、リバウンドしない片づけの考え方をお伝えします。

【写真】見違えるほどキレイになったafterはこちら

*  *  *

case.38  コンプレックスを解消したらもっと変わりたくなった

夫+子ども2人/会社員

 片づけられないと悩む人にとって、家にいる時間は常にその悩みを眼前に突き付けられているようなものです。散らかったリビング、料理をするスペースもないキッチン、洋服があふれるクローゼット……。どこに行っても、片づけられない自分がそこにいます。

 そのような人の多くは、自分を変えたいと思いつつ、片づけ方がわからないからいつまでも自分を変えられません。今回ご紹介するリーナさんも、子どもの頃から片づけには苦手意識を持っていました。

「実家はモノが多かったけれど、母がきれいに整理整頓していました。でも、私の部屋はいつも散らかっていて……。たまに母親が私のぐちゃぐちゃな机の中身を全部出して「片づけなさい!」と怒ったんですが、どうしていいかわからずに泣きながら元に戻していたのを覚えています」

 現在、トップクラスの成績で社内表彰もされる営業としてバリバリ働くリーナさん。人と接することが大好きで、プライベートでもしょっちゅう友人を家に呼んでいました。

 でも、そのためには前日からの準備が欠かせません。リビングやダイニングに出しっぱなしのモノを、ほぼ物置部屋として使っている書斎に運び始めます。当日は朝5時に起きてすべてのモノを書斎に押し込み、掃除をしてから友人を迎え入れます。

「私、人からはよく『家がきれいそう』と言われるんです。そのたびに、片づけられないことへのコンプレックスが大きくなっていきました。自分は不完全な人間だなぁって」

次のページ
イライラ募る毎日