時折、すごくやる気とやりがいを持って仕事していそうに見られるのは、そういうごくごく一時的なやる気をここぞとばかりに人から見えるようにしているからに過ぎません。それと、結婚や子育てをしていないと、なんとなく仕事に生きがいを見出した仕事に生きる女っぽく見えるというだけです。別に恋や子育てよりも仕事を選んだ気はさらさらないんですが、特にそういった出会いがないまま手元に仕事が残ったわけです。
その代わり、ものすごくメンタルが弱って一切書けなくなるとか、プレッシャーでご飯が食べられなくなるとか、他のことが何も手に付かないとか、寝不足で身体を壊すという嵐のようなことはほとんどなく、ぶつぶつ言いながら低空で安定して仕事を続けてきました。それは会社員時代もAV女優時代もキャバクラ時代も割とそうで、もっとちゃんとやればきっとできるのにもったいないとか周囲に言われて、自分もなんとなくそんな気がしていたけど、結局やらないというのはできないというのと同義で、自分のやった量と質が自分のできる量と質だったのだと思います。あんまり自分のキャラを固定してしまうのもどうかと思うけど、私は「仕事大好き! 恋も仕事も全力!」という生きざまは似合わないのだと思っている次第です。
さて、いただいたお悩みを読む限り、私よりはずっと真摯に仕事に向き合ってきた方のように見えますが、今は自分にとって仕事より優先したいもの、大切なものができて、仕事が億劫、あまりやりがいを見出せなくなったというとてもシンプルな構図に思えます。以前、それほど仕事命というわけではなくとも、休日に仕事関係の作業をするのが苦痛じゃなかったのは、一つには責任感のある仕事人だったからでしょうが、もう一つにはその時間を惜しいと思うほど夢中になっているものがなかったからとも考えられます。もちろん好きな趣味や遊びはあったかもしれませんが、元来、単に漫画を読んだり一日中寝たりするよりは、人の役に立つことやキャリアアップにつながるようなことが好きなのかもしれません。