キャバドレスでトーク番組に出ていた32歳の鈴木さん

 ので、少なくとも自分の希望の仕事を自分のペースでできる環境にいるわけで、どう考えても贅沢なのですが、それでも机に向かうことすら面倒な日も多いし、締め切りの前の日にはとにかく書きあげることしか考えていないし、もっと遊んで暮らしたいし、書きたいことしか書きたくないし、できれば誰か二億円くらいくれないかなといつも思っています。書かなくてはいけない原稿を前に、漫画を一巻から読み返してしまって二日間かかりっきりで読んでしまうこともあれば、絶対に遅刻してはならない日の前日に深酒して地獄から出てきたみたいな顔で自己嫌悪を抱えて現場に行くこともあります。

 私だって、CLASSY.のコピーみたいな、充実した仕事とプライベートを両立をさせつつ、オシャレやビューティーなライフを楽しめるタイプの人間になりたい気がしないでもないけれど、多分血液型とか星座とか成育環境とか色々あって、そういうキラキラしたキャリア女子になるのに必要な成分が不足しているのだと思います。家で着すぎてやや透けてきたスウェットを着て昔のドラマを1から見ているほうが、プレゼンを成功させたりプロジェクトの打ち上げで恋に落ちたり社内留学制度でMBAを取ったりするより幸福に思えるよう、脳がプリセットされているので仕方ありません。

 そんな私でも、時々仕事のやる気がみなぎるときもあります。大抵は純粋な四月病か、仕事絡みで好きな人がいるか、誰かにすごく嬉しい感じで褒められて調子に乗っているか。それで瞳孔が開いた感じで机に向かってみるのですが、やはりもともとが仕事に救われようとか思っていない人間性だからか、そんなに長く続くことはなく、しばらくするとやる気はおさまり、いつもの低空飛行に戻ります。

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やらない=できない