ホームページに出ていた、
<私たちは国際詐欺対応の弁護士事務所です>
<本気で返還請求するなら私に任せてください>
という言葉を信じ、Aさんはすぐに相談メールを送った。すると夜遅い時間なのに返信が届いた。
<お問い合わせありがとうございます。弁護士の川口です。今回の件に関しては、国際ロマンス詐欺の疑いがありますので、〇〇様がお望みのような返金請求もできます。(訴訟に関しましても、証拠次第では可能かもしれません。)>
着手金として100万円の支払い
何度かメールでやりとりをして、Aさんは川口弁護士と会い、ジョンに振り込んだ310万円を取り返してもらうように、委任状にサインし、着手金として100万円を支払った。
「川口弁護士と面談して窮状を訴えると、真摯(しんし)に耳を傾けてくれて『これまで数々のロマンス詐欺を解決し、お金を取り返した』と自信ありげで、この先生にお願いしようと即決した」
だが、その後、川口弁護士からの連絡は、
「証拠が足りない。海外とのやりとりになるので時間がかかる」
という言い訳めいた内容ばかりだった。そんなときに、川口弁護士の顔が映し出されたニュースが流れ、驚いたという。
「ジョンにだまされ、頼りにした弁護士にもお金を取られ、解決もできずでただ悲しい」
とショックから立ち直れないという。
大阪市在住のBさんも、川口弁護士の被害者だという。
Bさんは、インターネットのフリマサイトに催し物のチケットを出品。落札され発送したが、落札者から「チケットが届かない」とトラブルになった。
その後、落札者がBさんのアカウントIDや個人情報に薄いモザイクをかけてネット上に拡散した。フリマサイトに連絡をとって削除をお願いしても対応してもらえなかった。
「スマホで検索するとネットトラブルに強いと宣伝していた川口弁護士のサイトでみつけてメールで相談。昼は仕事が忙しく、夜遅いメールにも対応してくれたので一度、直接、面接をすると『必ず消すことができる』という。『個人情報がオープンになり怖いでしょう』と同情的で、涙が出るほど一生懸命な感じがしてすぐにお願いした」
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