「代理人を通じて獲得球団を探し続けているが手を挙げる球団がない。故障で開幕絶望となった千賀滉大のいるメッツが噂にあがったが可能性はなさそう。開幕が近づく中、NPBや韓国、メキシコでのプレーが現実味を帯びている」(MLBアジア地区担当スカウト)

 先述したようにシーズン終了直後は今年もNPBで見たいとの声は多かったが、SNSの何気ない投稿で日本での評判もガタ落ちとなったのは痛い。

 2021年に静岡県富士宮市で2人が死亡、1人が負傷した交通事故を起こし実刑判決を受けた米海軍男性が昨年12月に米国へ移送され、1月12日に仮釈放。その後、その米海軍男性がインスタグラムに笑顔で家族と再会する写真を投稿すると、これにバウアーが「Welcome home(お帰り)」と反応したのだ。

 米海軍の男性が起こした事故は居眠り運転と認定され、3人が死傷する非常に痛ましい出来事だっただけに、バウアーのコメントはSNSで炎上した。代理人のレイチェル・ルーバさんが発言に至った経緯を説明するなど釈明したが、その事件以来、日本のファンの心象も悪化。NPBでのプレーも厳しくなったという声も少なくない。

「批判コメントが殺到したことで謝罪したが取り返しはつかない。アスリート、人間として何かが欠けているように感じる。米国同様に日本もコンプライアンスに厳しくなった中、今まで以上に獲得には慎重になるはず」(在京球団編成担当)

 昨シーズン中もチームメイトのミスに対して放送禁止用語を交え怒りを表したことがあった。当時は「勝利への執念」と前向きに捉えられていた部分もあったが、これだけ物議を醸す言動を繰り返すと“トラブルメーカー”として獲得を敬遠する球団も増えるのは自然なことだろう。

「野球選手としてのキャリアは終わった」と言う人も多く、国内外を問わず獲得を敬遠する球団が多い。そんな中で「リーグ最低年俸(74万ドル、約1億1000万円)でプレーする覚悟もできている」(2月2日、ポッドキャスト番組「PBD Podcast」)と発言したことでわずかながら道が開ける可能性があると指摘する声もある。

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バウアーを獲得する球団はあるのか?