松下洸平さんと仲野太賀さん(撮影/写真映像部・東川哲也)
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 松下洸平さんがホストを務めるAERAの対談連載「じゅうにんといろ」、20人目のゲストは俳優・仲野太賀さん。俳優論からプライベートの過ごし方まで語り尽くします!AERA2024年2月26日号より。

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松下洸平(以下、松下): 今日は来ていただいて本当にありがとうございます。この対談連載は2022年7月にスタートして、太賀くんがちょうど20人目のゲストです!

仲野太賀(以下、仲野): 声をかけていただいてうれしいです。ありがとうございます。(これまでの誌面をめくりながら)すごい顔ぶれですね。

松下:これまで太賀くんの芝居をドラマや舞台、映画で見ていて、本当に素敵な方だなと思っていたので、昨年放送のフジテレビ系ドラマ「いちばんすきな花」の現場で初めてお会いした時は「うわっ、仲野太賀だ!」と実は密かに興奮してました。

仲野:いやいやいや、勘弁してください(照)。

「すき花」で松下さんが演じた春木椿さん、めちゃくちゃかわいかったです。「こんな人どこにいるんだろう」という絶妙なラインの役じゃないですか。でも、映像を観た時に「いた」と思って(笑)。つかみどころがないようで、でもこだわりが強くて癖があるという役を見事に体現されていて、ツボでしたね。

松下:太賀くんがそう言ってくれているというのをプロデューサーの村瀬健さん経由で聞いて、本当にうれしかったです。ただ、僕が演じた春木椿と太賀くんが演じた赤田鼓太郎は関係性が遠かったから同じシーンはないだろうな、と当初は思ってて。だから、村瀬さんから「6話で『椿vs.赤田』やるから」と言われた時は、本当にうれしかった。玄関先でのシーンではぶちかましてくれましたしね。

仲野:あはは(笑)。椿さんや多部未華子さん演じる潮ゆくえら4人の世界観ができあがっている中で、赤田がどう入っていくのか。波乱や影響を及ぼす存在なので、どういう表現が最適解なのかなと考えた揚げ句、振り切ってみた感じでした。意外と現場が好感触だったので、調子に乗っちゃいました。

松下:太賀くんが素敵なのは、独断で決めないところ。3人いたら、絶対に3色で構成しようとしてくれる。例えば、ゆくえと赤田が2人で口論していて、椿がちょこちょこ合いの手を入れるシーン。椿はほんの一言しかセリフがないけれど、それも含めて1シーンを作ろうとしてくれているのを感じました。

仲野:ちょっとした合いの手、難しくなかったですか?

松下:はい、めちゃくちゃ難しかったです(笑)。でも、太賀くんと多部さんのおかげで、めちゃくちゃカラフルなシーンになったし、時々3色がぐちゃぐちゃに混ざって見たことのない色になる瞬間もあった。

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