堕姫(左)と禰豆子(画像は新宿駅地下・メトロプロムナードの大型広告より)
堕姫(左)と禰豆子(画像は新宿駅地下・メトロプロムナードの大型広告より)
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 24日の土曜プレミアム(フジテレビ、午後9時~)は『特別編集版「鬼滅の刃」遊郭決戦編』。「遊郭編」の特別編集版として、先週の「遊郭潜入編」に続き、「遊郭決戦編」が放送される。「遊郭編」の終盤では、鬼となった兄と妹の悲劇的なエピソードが紹介されるが、妹が兄に求めた「たったひとつの願い」とは何だったのか。過去の記事で振り返る(この記事は「AERA dot.」に2022年2月14日に掲載された記事の再配信です)。

【写真】「上弦の鬼」のなかで最も悲しい過去を持つ鬼はこちら

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【※ネタバレ注意】以下の内容には既刊のコミックスのネタバレが含まれます。

『鬼滅の刃』アニメ2期・遊郭編では、鬼と人間の「兄妹愛」がテーマのひとつになっている。戦闘で不利になると泣いて兄に甘える遊郭の鬼・堕姫、兄の子守唄を聞いて声をあげて泣いた禰豆子。2人の幼子のような姿はアニメ放送後にも話題となった。そして妹をいたわる炭治郎と妓夫太郎は、「人間と鬼」という正反対の立場でありながら、妹には同じくらい優しい。この2組の「兄妹愛」はどこが同じで、何が違うのか。それぞれの「愛のカタチ」を考察した。
 

兄に甘える堕姫

 遊郭の鬼・堕姫(だき)は、鬼の始祖・鬼舞辻無惨(きぶつじ・むざん)から、竈門禰豆子ならびに鬼殺隊の抹殺を命じられていた。無惨自らが遊郭に足を運ぶほど、彼は堕姫に目をかけており、その期待通り堕姫の戦闘力は高かった。

 しかし、禰豆子の血鬼術・爆血(ばっけつ)で虚をつかれ、そのあと音柱・宇髄天元(うずい・てんげん)に、いとも簡単に首を斬り落とされてしまう。堕姫は、炭治郎・伊之助・善逸よりは強いが、鬼殺隊の柱である宇髄の戦闘力には及ばない。宇髄に実力不足を指摘されると、懸命に反論するが、とうとう大声で泣き始めた。

<頸斬られたぁ 頸斬られちゃったああ お兄ちゃああん!!>(堕姫/10巻・85話「大泣き」)

 堕姫は窮地におちいると、兄の妓夫太郎(ぎゅうたろう)に助けを求める。そして、この妓夫太郎の実力こそが「真の上弦」の力なのだ。

優しい兄・妓夫太郎

 堕姫は兄に対して、鬼殺隊が「イジワル」をしたのだといいつけた。

<凄く頑張ってたのよ 一人で…!! それなのにねぇ 皆で邪魔して アタシをいじめたの!! よってたかって いじめたのよォ!!>(堕姫/10巻・86話「妓夫太郎」)

 妓夫太郎は堕姫に「そうだなあ そうだなあ そりゃあ許せねぇなぁ」と、幼子をあやすように慰め、「俺の可愛い妹」をいじめた奴を「皆殺し」にすると宣言した。

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植朗子

植朗子

伝承文学研究者。神戸大学国際文化学研究推進インスティテュート学術研究員。1977年和歌山県生まれ。神戸大学大学院国際文化学研究科博士課程修了。博士(学術)。著書に『鬼滅夜話』(扶桑社)、『キャラクターたちの運命論』(平凡社新書)、共著に『はじまりが見える世界の神話』(創元社)など。

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妓夫太郎も炭治郎も妹には「甘い」