麻雀女流プロ 内山えみさん/この日連盟の道場で麻雀を教えていた女流プロは内山えみさん。友人が家に忘れていったゲーム機の麻雀ゲームが麻雀との出会いだ(撮影/福光恵)
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 たばこの煙がもくもくした雀荘で、夜を徹して打つ──。そんな昭和の麻雀のイメージは令和の世にはもうない。少女漫画雑誌「なかよし」に麻雀漫画が連載される時代だ。カード麻雀セットの付録も登場し、大きな話題を集めた。今どきの子どもたちにとって麻雀とはどんなものなのか。AERA 2024年2月26日号より。

【写真】「なかよし」2月号の付録で大評判を呼んだカード麻雀セットはこちら

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「4人と1匹ではじめるゆる~~~~~~いほのぼの麻雀ライフ…って麻雀全然知らんのじゃけど。」

 こちら、少女漫画誌「なかよし」で連載中の「ぽんのみち」のキャッチコピーだ。「~」の6連発だし、いかにも少女漫画テイストなのだが、そこに続くのが「麻雀ライフ」だという意外な展開。

 さらに2023年末に発売された2月号では、この漫画のキャラクターなどがあしらわれた「ぽんのみち特製カード麻雀セット」が付録で登場したことがネットでニュースに。「なかよし」と麻雀の奇跡のコラボに、見出しを二度見した人も多かったと思う。

 ちなみにコピーのなかの広島弁は、もちろん任侠映画とはぜんぜん関係なくて、主人公が、広島の尾道の女子高校生たちだから。そんな主人公のひとりが、父親が以前経営していた雀荘を整理して、友人とのたまり場にしたところから物語が始まる。

トランプと同じ感覚

 なかよし編集部によると、今年1月からTBSなどで放送が始まったアニメ「ぽんのみち」に先駆けて、23年9月からコミカライズ(コミック化)として始まったのがこの作品だった。

「家族が集まる年末年始に楽しんでもらえたらと、カード麻雀セットの付録を考えました。この付録で親に教えてもらいながら、初めてリアルの麻雀をやったという読者も多かったようで、『麻雀でもっと強くなりたい』などのお便りもいただいています」(講談社第四事業本部女性コミック編集部・飯田海帆さん)

 これまで「咲―Saki―」のように女子高校生を主人公にした麻雀漫画はあったが、少女漫画誌で連載するのは異例。

「今の小中高校生にとっては麻雀も、トランプと同じような普通のゲーム。家族で麻雀を楽しんでいる読者もいるよねというのが、編集部としての認識でした。昔のイメージをまったく考えなかったわけではありませんが、そもそも麻雀は世界で親しまれている遊戯ですし、問題ないという判断でした」(同)

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