伊達政宗、猫を贈られ大感謝
伊達家との取次をつとめていた幕臣の野々村四郎右衛門が、政宗から依頼されていた猫を贈った。喜んだ政宗は礼状を送った。
「猫のこと、お忘れにならずお贈りいただき、有り難い。まずその男ぶりがなんとも見事です。先日、自分より大きなネズミを組み討ちに仕留めました。いよいよ秘蔵したいものです。首輪もオシャレで華やかです」
猛々しい雄猫だったようだが、どんな色や柄だったかはわからないのが残念である。
それにしても「組み討ちに仕留めた」という擬人的な比喩に、老いてもなお政宗が戦国の気風を濃厚に残していたことを感じさせるではないか。
(歴史作家・桐野作人)
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