ハダカデバネズミ! “ブサカワ”動物界のスターの、衝撃的な写真が表紙を飾る。
 2004年に第1弾が発売されベストセラーになった、早川いくをさんの人気シリーズ「へんないきもの」。その最新作は、大判の「読む写真集」である。へんな生きものたちの、「へんな」生態が、流麗な写真とユーモアあふれる文章とともに紹介される。
 トラフトンボマダラチョウのサナギは、黄金色に輝き周囲を映し込むことで「光学迷彩」的役割を果たす。ノコギリエイのノコギリは、獲物への攻撃に加え、センサーの役割ももつ。
 深海への適応、天敵対策、捕食の効率化……へんな生きものは、特殊な環境、特殊な状況に適応していくために、「へん」になった。「へん」には「へん」の理由がある。
 不思議。キモい。その形状、おかしいだろ。でもどこか愛らしい。毒々しいほどキレイな色彩。次々と繰り出される「へん」の中に秘められたドラマには、ある種の感動もおぼえる。
〈笑えて泣けて絶句する。〉──オビに書かれたコピーに、深く納得。

週刊朝日 2015年9月11日号

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