人は、相手の行動を見てその人を判断する。そして、イラッとしたり、「この人と合わない」「この人、うっとうしい」と、思ったりする。
わたしも、同じだった。
でも、これからは、
「行動の裏には、その人の価値観がある」
ということを知っていなければ、人間関係がうまくいかないことをわかっていたほうがいい。
逆にそのことをわかっていると、ごきげんでいられる。
そのことを私に教えてくれたのが、講師仲間でふだんは商社で働くサラリーマン、アンディ中村さんだった。
企業の人たちと話していると、よくこんな話題になる。
「最近の若い子たちは、メール一本で『会社を辞めます』って言うんだよなあ。かんべんしてほしいよ」
「なんでもメールで済まそうとしてほしくないよなあ」
わたしも、「そのとおり」だと思って同感していた。
でも、アンディ中村さんは違った。
「彼らは、悪気も何もないよ。それが当たり前だと思っているよ」
「どうして?」
「だって、彼らは、就職活動で必死でエントリーシート書いて、企業の会社説明会に行って、がんばってアプローチしても、メール1本で落とされる経験をしているんだから。メール1本で休んだり、会社を辞めることが悪いことだと思うはずないじゃないですか」
目からウロコだった。
原因は、わたしたちオトナが作っていた。
そんな視点で見ると、いろいろ納得していなかったことが、納得できるようになっていた。
たとえば、近所にステキな飲食店ができていて、若手メンバーに、
「あんなところにあんな店ができているよ」
と、盛り上げるつもりで言ったにもかかわらず、
「でも、大谷さん、そこ、食べログで2.8ですよ」
と、言われて、ムカッときたことがあった。