ドラマ芸人の源流は明石家さんま

「いわゆる“ドラマ芸人”の源流は、明石家さんまにまで遡ると私は思います。’80年代後半の『男女7人』シリーズ(TBS/86年『男女7人夏物語』/87年『男女7人秋物語』)に主演し、大ヒットを飛ばしました」

 懐かしい。『男女7人』は、明石家さんまと大竹しのぶの共演が結婚へのきっかけにもなった、大ヒット恋愛ドラマだ。いまもCSなどでは再放送されるなど、傑作の呼び声も高い。中村裕一氏は、芸人がドラマで活躍する理由をこう分析する。

芸人の瞬発力や対応力には魅力が

「舞台やバラエティー番組で鍛えられた芸人の瞬発力や対応力には、俳優たちの練った演技とはまた違った魅力があります。良い意味で作品のアクセントや刺激になり、ドラマに予定調和を越えた相乗効果をもたらすのでは、という作り手の狙いがうかがえます」

 芸人たちの演技への未知数の期待という側面もある一方で、当然、「話題作り」という効果もあると話すのは、お笑い評論家のラリー遠田氏だ。

「芸人を起用すれば話題作りができるし、普段バラエティー番組を見ている人たちをドラマに誘導する効果も期待できます。また、ドラマの番宣でバラエティー番組に出演する際にも、芸人がいた方が場が盛り上がりやすい」

 トークが生業の芸人が番宣をすれば盛り上がりは必至だろう。

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たった3秒の芸人の出演が話題に