「売る」ことを考えて投資をしている人は非常に少ないという。写真はイメージです©gettyimages

 成長投資枠も合わせて活用したい場合は、新NISA全体の生涯の上限1800万円-成長投資枠の生涯の上限1200万円=600万円が、つみたて投資枠で使える額になります。するとつみたて投資枠は600万円÷120万円=5年で使い切ってしまいます。

 年齢にもよりますが、積立投資を長く続けようと考えているのでしたら、つみたて投資枠を無理に最大限使う必要はないのはないでしょうか。

 そもそも、つみたて投資枠を最大限使うと月あたり10万円ですから、若い世代や子育て教育資金などが必要な世代には厳しい。月5万円でも年60万円ですから相当な額です。長く続けるなら、月1万円からでも十分ですから、余裕が出たら増やせばいいでしょう。

 一方で、成長投資枠は年最大240万円の枠があり、毎年最大金額まで自由に使ってもいい。というのも、新NISAでは上限まで買ったとしても、売れば翌年にその分だけ復活するため、投資期間をのばすことができるためです。

 つみたて投資枠は長期、成長投資枠は短期、といった具合に使い分けたほうがよい。

「売る」ことを考える

――投資枠を再利用できるメリットをもっと生かすべきだということでしょうか。

 大事なのは、値上がりした時に売らないと売却益は得られず、非課税という新NISAの恩恵を受けられないことです。

 当たり前だと思われるかもしれませんが、講演や投資塾を通じて寄せられる相談を聞いていると、「売る」ことを考えている人は非常に少ない印象です。

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