他方で、「着る意味はある」としながらも、岸田首相らの対応に疑問を投げかける指摘も多かった。
「被災地や救援・支援の現場への視察も含め、時々刻々と変化する状況に速やかに対応することを前提とするならば、活動しやすい服装でいることは理にかなっている。しかしその前提がないのなら、その限りではない」(30代、男性、神奈川県)
「必要なときに速やかに現地に入り、非常事態であるとメディアを通じて国民に知らせて政策や予算の優先順位を変更し、被災地支援に尽力する世論形成に役立つのであれば意味がある。それが本来的な意味合いだとも言える。今回の岸田首相の新年会ハシゴや政府ののんびりした対応においては前述の目的を果たせておらず、無意味なコスプレにすぎなかったと思う」(30代、女性、東京都)
「政府関係者が背広で対応してはあまりにもギャップがありすぎる。当人たちの意識も少しは上がってほしい。姿に相応した対応を期待する」(70代以上、女性、千葉県)
「被災の現状を理解し、それに見合った対応、言動が見ている人たちに伝わるのであれば、一定の効果、意味はあると思う。しかし、今回は全くそれを感じることはなかった」(40代、男性、大阪府)
また、岸田首相が新年会で防災服に花をつけて登場したことについて批判的な声が多く寄せられた。
「緊急事態であることを印象付ける制服の意味はある。でも、花を付けていたのは理解不能」(60代、男性、愛媛県)
「地震災害は有事であるため、臨戦態勢を整えておいて欲しい。ただ、見た目からでもどういう状況かを示して欲しい。花や飾り物を付けるのはもってのほか」(50代、男性、愛知県)
「着る意味がない」と回答した人たちはどうしてそのように考えているのか。
記述回答では、
「今から現地へ赴こうとしているならともかく、そうでないなら不要。ましてや『当面行かないことにしましょう』というような話をする場でわざわざ防災服を着るなど完全にパフォーマンスだと思う」(50代、女性、沖縄県)
「防災服はあくまで現場で着るもの。ポーズとしての衣装替えには、むしろ行動を伴っていないことがより強調されて不快」(50代、女性、神奈川)
「コスプレと揶揄(やゆ)する声も多かったようだが、まさにその通り。『やってる』感を見せたいのだろうが、政治家の声も姿も実態が伴わないことを多くの人は感じている」(60代、男性、東京都)
などと実態の伴わないパフォーマンスに過ぎないと捉える人が多かった。