法相時代には「鉄の女」の異名も

13人の死刑執行時に語っていたこと

 だが、09年ごろまで上川氏の秘書を務め、現在は静岡市議の福地健氏(自民党)はこう語る。

「ドライどころか、あの時、上川さんは散々、悩まれていました。死刑執行にサインした時の心境を『鏡を磨いて、磨いて、磨き切るという気持ち』と表現していました。自問自答を何度も何度も繰り返したという意味だと思います。当然ですが、それだけ重い決断だったわけで、ドライにバッサリとやったという話では全くないと思います」  

 福地氏によると、上川氏は一連のオウム事件の被害者から直接話を聞いて涙したこともあったという。

「『地下鉄サリン事件』で亡くなった駅員の妻の高橋シズヱさんら被害者遺族の話を一人一人丁寧にうかがって、上川さんは涙を流しながらずっと聞いていました。予定時間は1時間くらいだったんですが、延長して何時間も話を聞き続けていました」

 そして、麻生氏の発言に対する上川氏の答弁についてはこう話した。

「上川さんはとにかく真面目なんです。いろいろと思うところはあったはずですが、言葉を飲み込んだのだと思います。もともと、言うべきことは言うタイプなんです。ただ、ご自身で『言うべき時』と『言わない時』をわきまえている。今回の騒動は、要は、麻生氏の言い方がうまくなかっただけです。麻生さんは上川さんを評価していて『あの女性はスゲエ』という意味で言おうとして、ああいう言い方になった。上川さんはそれがわかっているので、自分の頭で考えて対応したのだと思います」

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派閥に助けられてきた