女性初の衆院議長となった土井たか子氏

女性の衆院議長になれば約30年ぶり

 自民党関係者の声を拾うと、上川氏は「全方位外交の人」「敵をつくらない人」という評価が多い。岸田政権の支持率低迷で「ポスト岸田」としても名前が挙がるようになった上川氏だけに“先”を見据えている可能性もある。前出の自民党参院議員関係者はこう話す。

「麻生氏は政策集団として派閥は存続させると明言しているのだから、派閥に助けられてきた上川さんは、麻生さんを敵に回さない方が絶対に得でしょう。もし彼女が次の総裁選に出馬するとしたら、麻生氏も協力してくれるかもしれない。このまま敵をつくらずにやっていけば、総理にはなれなくても、次の大臣ポストや党4役、衆院議長などが転がり込んでくる可能性もある。もし女性が衆院議長になれば、社民党の土井たか子さん以来、約30年ぶりですよ」

 前出の福地氏によると、普段の上川氏は秘書にも優しく、親しみやすい人柄なのだという。

「何でも自分でやらないと気が済まない性格なので、秘書任せにはせず、まず自分で理解してから、秘書に的確な指示を出すというやり方でした。なので、秘書をコキ使ったりは絶対にしませんでした。カラオケが得意で、美空ひばりさんの曲をよく歌っていました。民謡や踊りを習っていたことがあったようで、夏祭りの盆踊りでは、地域のみなさんと一緒に踊っていましたね」

 敵をつくらず、全方位外交を貫いてきた上川氏。麻生発言への対応は、今後、吉と出るか凶と出るか。

(AERA dot.編集部・上田耕司)

著者プロフィールを見る
上田耕司

上田耕司

福井県出身。大学を卒業後、ファッション業界で記者デビュー。20代後半から大手出版社の雑誌に転身。学年誌から週刊誌、飲食・旅行に至るまで幅広い分野の編集部を経験。その後、いくつかの出版社勤務を経て、現職。

上田耕司の記事一覧はこちら
暮らしとモノ班 for promotion
疲れた脚・足をおうちで手軽に癒す!Amazonの人気フットマッサージャーランキング