このほか、骨や関節の状態を見る画像検査も重要です。X線検査では骨が壊れている様子を確認することができ、リウマチの進行度がわかります。関節超音波(エコー)検査やMRI検査では、関節の腫れを見ることで炎症の程度を知ることができます。
関節リウマチの早期発見や予後改善をめざし診療や啓発に力を入れている、横浜市立大学附属市民総合医療センター、リウマチ膠原病センター診療教授の大野滋医師はこう話します。
「X線検査でわかる骨の破壊はかなり進行してから起こるので、早期診断のためには関節の腫れを見ることができる関節エコーやMRIが有用です。関節エコーはまだ、どこの病院でもできるとはいえませんが普及が進んでおり、近年、関節リウマチの検査にも使われるようになりました」
関節リウマチと間違いやすい病気は数多くある
「変形性関節症」などの関節の病気や「痛風」、「シェーグレン症候群」や「ベーチェット病」などの膠原病、ウイルスや細菌による一部の感染症など、関節リウマチと似た症状がみられる病気は数多くあります。
「しっかり鑑別するためには、患者さんの話をよく聞いて、見た目や触った感じで判断しながらほかの病気を除外していくことが大切です。触診では、例えばもともと10の大きさで腫れていて、それが20になれば誰でもわかりますが、12ぐらいの腫れを判断するのは職人芸といえます。それだけに早期診断には関節リウマチの専門医が診ることが重要といえるでしょう」(大野医師)
関節リウマチは膠原病の一種ですが、ほかの膠原病を合併することも多く、その代表的なものが、目や口の乾燥などを伴うシェーグレン症候群です。先にシェーグレン症候群と診断され、その後関節リウマチを発症することもあります。
また、関節以外にみられる関節リウマチの症状の一つに間質性肺炎があります。関節の症状より先に肺炎の症状が起こり、呼吸器科を受診して検査をした結果、関節リウマチと診断されることもあります。