一方、「ロンドンハーツ」でもドッキリ要員として重宝されており、「パンサーに新メンバーが増えたらドッキリ」や「パンサーに『情熱大陸』のクルーが密着したらドッキリ」など、数々の名作を生み出している。
「パンサーに新メンバーが増えたら嫌がるかと思いきや、むしろ4人組になることに誰よりも前向きになったり、ニセ情熱大陸の密着取材に何ら疑いを持たず、エロ系の冠番組の会議に密着されるというどう考えてもおかしい展開でも、誰よりも真面目にエロ番組の企画を考える。とにかく制作側の予想をはるかに超えていくのが彼の魅力でしょう。人を疑うこともなく、いつも前向きな性格が浮き彫りになるので、ドッキリを仕掛けられて大爆笑をとった後に好感度が上がるんです」(民放バラエティー制作スタッフ)
トリオになると魅力が半減?
ピン芸人として、すでに大ブレークしている感もあるパンサー尾形。では、お笑いトリオ・パンサーとしての未来はどうなのか。お笑い評論家のラリー遠田氏は言う。
「パンサーはネタ作りを担当する菅さん、ツッコミと仕切りがうまい向井さん、天然キャラで爆発力がある尾形さんの3人それぞれが別々の分野で突出した能力を持っていて、バランスのいいトリオです。それぞれが高い能力を持っており、適材適所でそれぞれがバラエティー番組で起用されているので、トリオとしての仕事が少ないのは仕方がないと思います。個人で結果を出し続けていれば、いずれはトリオの仕事も増えていくのではないでしょうか」
一方、前出の放送作家は、尾形のブレークをきっかけにトリオにも注目が集まっていると話す。
「尾形さんはトリオの活動をいつも最優先に考えており、『自分がピンで出続けるのは、パンサーの看板を世間に知らしめるため』とも言っています。昨今の尾形人気で、トリオとしての活動にも再評価の兆しが見えており、『有吉の壁』ではレギュラーでネタを量産し続けています。トリオのネタでは、パンサーの頭脳である菅さんのセンスがさえわたっていて評価も高いのですが、ネタのときは尾形さんの良さが半減してしまうのも事実。尾形さんは予測不可能な言動が面白いので、コントの決められたセリフをしゃべっていても生かしきれません。尾形さんの天才的なリアクション芸を、パンサーの3人でいるときにどう生かせるか。トリオとしてもブレークできるかは、そこ次第でしょうね」
ピン芸人だけではなく、今年はパンサーとしてもブレークできるか。正念場の年となりそうだ。(藤原三星)