「自分はどうしたいのか」を差し置いて、こうした外からの「よかれ」を取り入れ続けたらどうなるかといえば、部屋にものが溢れ、手元のお金は減り……充実した暮らしを目指したはずなのに、望んでもいない悲しい結果が待っています。

 それはまるで、「あなたのため」と言いながら押し付けられる、優しい圧のようです。

 明らかに害がありそうなら、「間に合ってます」と断るのもまだラクかもしれませんが、「取り入れた方がいい気がする……」という迷いが生じてしまうと、どんどん自分というものを見失っていってしまうのかもしれません。

 ものだけでなく、周りの人間関係からも「よかれ」の影響を受けることがあります。

 もし、お気に入りの服を着ているときに、友達から「こっちの服の方が似合うよ!」とアドバイスされたら、あなたはどう感じるでしょうか。

 アドバイスが役立つと思えたら、ありがたく受け取れるかもしれませんが、自分が気に入っている服を否定されたように感じたり、自分の感覚が認めてもらえていない気がして寂しい気持ちになるかもしれません。

「ありがとう、でも私は気に入ってるから」と明るく返せればいいのですが、自分に自信を持てず迷いがあるときは、こうした他人の「よかれ」を取り入れすぎて自分を見失いがち……ということを、私自身、過去にも多く経験しました。

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