子どものときからそういう生活をしてきたので、つらさはないと言ったら嘘になりますが、芸能人だから何かをあきらめなければいけないのは苦しいですよね。役者は人を演じないといけないお仕事なので、自分の生活はすごく大事だと思っています。
──マイナスな感情がたまったときの解消法は?
嫌なこととか苦しいことは、もちろんその瞬間はすごくつらいです。でもマイナスな感情もプラスな感情も全部お芝居に利用できるというのが役者の仕事のいいところですよね。
自分が感じた悔しいこととか悲しいことを、もしかしたら役の誰かが言ってくれるかもしれない。そういうときが来たら、「あー、あったなあんなこと」と、引き出しの奥から探り出してくるみたいな。もちろん、友人と会って一緒にご飯を食べるとか、お酒を飲むとか、趣味に没頭するとか、家族と話をするとか、そういう捌(は)け口(ぐち)もあります。
──定のように何者かに大変身できるとしたら?
この仕事をしていない別の自分になってみたいですね。建築にすごく興味があって、勉強したいなと思っていたときもあるので、もしかしたら建築家になっていたかもしれない。わからないですけど。建物とか内装を見るのは、今も好きです。
──これからしてみたい、未知への挑戦は?
海外の作品に出演してみたいですね。もちろん言葉は勉強しないといけないのですが、何も決まってないときに準備するのって、なかなかモチベーションが……。でも、そういう話って急に来るんですよね。来てからでは遅いので、今から準備しておかないといけないですね(笑)。
(構成/本誌・大谷百合絵)
※週刊朝日 2022年11月11日号