最後に、第4のタマが残っている。それが、大阪・関西万博の縮小、延期または中止である。能登半島の復興を最優先し、大阪に集中する資材も人手も全部能登に回します!と宣言する。いまだに万博を変更なしで実施すると言う日本維新の会がいるので、岸田首相に「よく決断した!」という声が集まるという計算だ。サプライズ効果が大きい早期決断が望ましい。
これには、維新の勢いを削ぎ、維新に取られている保守層を奪い返すという選挙対策の効果もある。
いずれにしても、岸田首相としては、解散総選挙なしで9月(予定)の総裁選という選択肢はない。そうなれば、衆院議員(9月時点で残り任期1年あまり)にとっても参院議員(半数が25年7月に任期満了で改選)にとっても、選挙の顔を選ぶ選挙になるからだ。そうなれば、石破氏や河野太郎氏に勝つことはできない。
そこで、総裁選の前に衆院の選挙を終わらせ、選挙間近なのは参院議員の半数だけという状況にする。そうなれば、官房機密費を使って自分の支持者を増やすことも可能だ。
9月解散総選挙なら、賃金も上がり、大負けは防げる可能性がある。総裁選勝利の道はそこにしかない。だから最後まで解散総選挙に賭けるのだ。
以上のようなことを岸田首相が考えているのかいないのか知る由もないが、岸田首相になったつもりで考えると、そんなに荒唐無稽なことではないように思えるのだが、いかがだろうか。