舞台「ボディガード」への出演3回目を迎えた俳優・大谷亮平さん。歌姫レイチェルを守るボディガード・フランクを演じるが、今回はどんな心境なのか。AERA 2024年1月29日号より。
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1992年にホイットニー・ヒューストンとケビン・コスナーの主演で大ヒットした映画を舞台化したミュージカル「ボディガード」で、歌姫レイチェル・マロンを守るボディガード、フランク・ファーマーを演じるのも、3回目となる。
「僕ね、3部作というものに関わることが非常に多いんですよ。だから3回目って、ちょっと完結っぽいイメージがあって。2回目にチャレンジするのとはまた違う気持ちでいますね。自分のなかにいろんな欲が出てきた。役へのアプローチにしても、今回はより貪欲になっている気がします。フランクって、言葉でも態度でも内面を表現しないから、このときどういう気持ちなんだろう、というポイントがいくつかある。前回は気持ち優先でやったんですけど、今回は立ち位置とか手の仕草といったひとつひとつからも、僕が演じるフランクという人物の魅力を、より一層伝えられるように、この世界に引き込めるように、というつもりでいます。
最大のテーマは、やっぱり、見てくださる方に、いかに守ってもらいたいと思ってもらえるか。それは自分が、フランクという役が、変えられる部分なので。さらなる挑戦ですね」
芝居には「本気で取り組めば取り組むほど、感情を揺さぶられるものがある」と日頃から語っているが、この舞台では?
「レイチェルと言い合うシーンがあるんですよ。フランクが公私混同をしてしまったがために、ちょっと事件が起きる。気持ちは彼女にあるんだけど、でもボディガードとしてこれではいけないと告げることで、けんかになるんです。そのときの彼女のリアクションには、どうしても感情を揺さぶられますね」
ちなみに大谷亮平さん自身がフランクと同じ状況に置かれたら?
「可能性ありますもんね、そういう、ロミジュリ的なシチュエーション。なかなか難しいですよね、線を引くのは。自分の素直な気持ちを取るんじゃないですかね。……何を僕は真剣に悩んでるんだろう(笑)。ラストは、別れを取らないと格好悪いけど、でも、お互いに思い合っているのに、なんで?とも思いますよね。だから今回、なんと、その結末が変わるらしいです。その回によって変わる……嘘です(笑)」