フリーアナウンサーとして活躍する原千晶(はら・ちあき)さん。AERAの取材に応じ、浪人時代について語ってくれた(撮影/小山幸佑)
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 TBS朝の情報番組「THE TIME,」でリポーターをやっている女性アナウンサーが大学に入るまでに6浪したことを明かし、ネットで話題を呼んだ。その人物とは元テレビ山口のアナウンサーで、現在はフリーアナウンサーの原千晶さん(35)。「なぜ6浪?」「なぜアナウンサーに?」。ネットではさまざまな憶測を呼んだ。AERAの取材にその経緯を語ってもらった。

【写真】弾けるような笑顔がまぶしい原千晶アナウンサー

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 事の発端はこうだ。番組では今ヒットしているモノ、コト、ヒトを深掘りする「TIME マーケティング部」というコーナーがあり、その日は原アナが「最新の自習室」をリポートしていた。最後に受験生にアドバイスをする場面で「私、6浪しているんです」とサラッと告白。生放送のスタジオでは総合司会の安住紳一郎アナから「原さん、6浪って本当?」と突っ込みを受ける。視聴者も同様の感想を持ったようで瞬く間にSNSに広がった。

「私はあまりSNSに詳しくなくて、番組のスタッフに話題になっていると言われたり、昔の友達から連絡があったりしてSNSで拡散されていることを知りました。番組では詳しい話ができなかったので、後で自分のSNSに医学部を目指していたこと、結局合格できずに別の大学に行ったことなどを書いてアップしました」

 福岡出身の原さん。なぜそこまで医学部にこだわったのか気になるところだが、高校時代の生活については意外な言葉が返ってきた。

「高校受験をして私立の女子校に通っていたのですが、部活も入っていなかったし、何か特別に打ち込んでいるものがあったわけではありません。ただ友達とおしゃべりしたり、時にはカラオケに行ったり、そんなごく普通の生活がすごく楽しくて。正直、その頃は将来の夢も、なりたいものもありませんでした」

医師の父を尊敬していた

 父親は開業医、母親も歯科医という医療一家の長女として育つ。

「父や母から家業を継いで欲しいとか、医学系の道に進みなさい、と言われたことは一切ありません。2歳下に弟がいるのですが、弟も同様です」

 とはいえ医師として患者と向き合う父親の姿は小さい頃から見てきた。

「例えば家族で出掛けている時、患者さんから電話があったら1人帰って患者さんを診たり、開業してからも、朝でも夜中でも患者さんの元に駆けつけたりしている姿は見ていました。とにかくお金もうけより患者さんのためにっていう人で、そんな父を尊敬していました。医師っていう職業はなるのも大変だけれど、なってからも常に勉強が必要だ、ともよく言っていましたね」

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6年の浪人生活の半分は寮生活