半導体関連の注目銘柄として、半導体の製造工程で使われるフォトレジスト(感光性材料)大手の東京応化工業や、半導体チップを保護する封止め材で世界シェアトップの住友ベークライト、産業ガス国内トップの日本酸素ホールディングスなどを挙げた(表)。

 一方、山和証券調査室アナリストの志田憲太郎さんは「企業価値の向上」に改めて注目している。

「昨年は東京証券取引所の要請もあって、『株価純資産倍率(PBR)1倍割れ』銘柄の経営改善策に注目が集まり、自社株買いや増配といった取り組みが目立ちました。しかし、国内の上場企業の資本効率は欧米に比べて低いとされ、PBRが1倍を上回る企業でもなお取り組みを強める余地があります。その意味で、次の資本効率の改善策として『親子上場の解消』が見込める銘柄に注目しています」

 親会社と子会社がともに上場する親子上場は、親会社が子会社の配当政策や経営に介入する恐れがあることなどから、少数株主の利益を損ねかねないとして、以前から問題が指摘されてきた。昨年12月には、東証が上場企業に対し、上場子会社を持つ理由などを開示するよう求める方針も報じられた。

 そこで志田さんは、①子会社の自己資本利益率(ROE)が親会社を上回る②親会社の自己資本比率の割合が比較的高い(30%超)③親会社の時価総額が一定の水準(1千億円)以上――などの条件を設定。当てはまる企業の中から、今後、親子上場の解消が見込める企業を選んだ。

「親子間のROEを比べるのは、ROEが高い子会社を取り込めば親会社の収益力は一段と高まる可能性があるためです。親会社の自己資本比率や時価総額に注目するのは、買収できる余裕があるかどうかを判断することが理由です」(志田さん)

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