1月15日の株価ボード。日経平均は年明けから上昇している。
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 辰年の2024年は干支にちなんだ相場の格言で「辰巳天井」と言われ、株式市場は高値をつけにいく経験則があるという。日経平均株価は年初からバブル崩壊後の高値の更新を繰り返し、1月19日の終値は3万5963円と昨年来高値をつけた。今年はどんな銘柄が狙い目か。株式の専門家に聞いた。

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 日経平均株価は1月19日、15日に続いて一時3万6千円を上回る場面があった。昨年末からの値上がり幅は2千円を超える。株式相場は年明けから急ピッチに上昇している。

 小売りなど2月期決算企業の23年3~11月期決算が好調で買いが進んだのに加え、連日の株高をみて外国人投資家の注目も集まった。今年1月からスタートした新NISA(少額投資非課税制度)で進む個人投資家の資金流入も、相場を下支えしている。

 証券ジャパン調査情報部部長の大谷正之さんは言う。

「株式相場の過熱感は強まっており、短期的にはいったん調整してもおかしくはありません。でも上値の余地はまだあるとみています。これから発表が本格化する3月期決算企業の23年4~12月期の業績をみて、出遅れていた中国経済や半導体市場の回復が確認できれば、さらに値上がりする可能性もあります」

 大谷さんは、日経平均株価は年内に3万9千円をつけ、史上最高値を更新するとにらむ。

 そんな大谷さんが今年注目するのは、半導体やAI(人工知能)、電気自動車(EV)といった「テック関連」株だ。好調だった23年の流れが引き続き期待できるという。

「今年は半導体市場の回復が本格化し、投資家の物色先も昨年盛り上がった製造装置関連から材料関連へと広がっていくでしょう。一時足踏みしていたデータセンターへの投資も回復へ向かい、関連銘柄も値を戻してきています」(大谷さん)

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池田正史

池田正史

主に身のまわりのお金の問題について取材しています。普段暮らしていてつい見過ごしがちな問題を見つけられるように勉強中です。その地方特有の経済や産業にも関心があります。1975年、茨城県生まれ。慶応大学卒。信託銀行退職後、環境や途上国支援の業界紙、週刊エコノミスト編集部、月刊ニュースがわかる編集室、週刊朝日編集部などを経て現職。

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