例えば映画会社の東宝が過半の株式を持つ、道路メンテナンスのスバル興業はROEが11%を超え、8%台の東宝を上回る(23年)。東宝の自己資本比率は70%台で「スバル興業の株価にプレミアを上乗せしても十分、完全子会社化する余裕はありそう」(志田さん)。

 警備会社セコム傘下の航空測量大手パスコは人工衛星を利用した測量サービスにも力を入れ、長期的に成長の余地が大きい。キヤノンマーケティングジャパンは、親会社キヤノンの複合機の国内販売が主力で、再編の効果が期待しやすいという。

 7月に予定される「新紙幣の発行」に注目するのは、投資顧問会社エフピーアイ代表の藤ノ井俊樹さんだ。

 紙幣のデザイン刷新は04年以来、実に20年ぶり。1万円札は今の福沢諭吉から渋沢栄一に、5千円札は樋口一葉から津田梅子に、千円札は野口英世から北里柴三郎にそれぞれ変わる。刷新に伴い、紙幣を数えたり分類したりする貨幣処理機をはじめ、銀行のATMや自動販売機、パチンコのカードユニットの入れ替え・改修や新しい設備の導入需要が生じる。

 このため、そうした設備や製品を手がける関連企業は恩恵が期待できるという。

 藤ノ井さんは注目銘柄として、貨幣処理機大手グローリーをはじめ、銀行ATMに強いOKI、パチンコ周辺機器を手がけるマミヤ・オーピー(OP)などを挙げる。

「マミヤOPはパチンコ台に使われるカードユニットの大手。紙幣刷新に伴い1台ごとに設定が必要で、需要は大きい。加えて、来期以降も新型機の導入拡大が見込まれ、業績好調は続きそうです」

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万博関連銘柄にも注目