犯人から「伏せろ」と言われたらどうする?
犯人に遭遇した瞬間に絶対にしてはいけないことが2つあります。
1つ目は、声をあげることです。悲鳴は押し殺してください。犯人のターゲットになりやすくなるからです。犯人を刺激することだけは絶対に避けてください。例えば、こう着状態になったときに説得を試みることも犯人にとって刺激となる恐れがありますので、やめてください。逆に犯人からの指示には従ってください。「床に伏せろ」と言われたら伏せてください。指示に反抗して犯人にストレスをかけることは避けましょう。
監禁状態で犯人と人質との間に信頼関係が発生する現象をストックホルム症候群といいます。電車内ではあまり起きないと思いますが、監禁状態で人質になってしまったときは、ストックホルム症候群を積極的に起こすようにしましょう。生存確率を上げることができるからです。しかし、その際も自分から信頼関係を築こうとしてはいけません。犯人を怒らせる可能性があります。ひたすら犯人の言うことを聞き、話しかけられたときだけ話すようにしてください。
2つ目は、背中を向けて逃げること。目の前に刃物を持った人間がいて一目散に逃げ出したくなるのは理解できます。しかし、それでは犯人の攻撃からも目をそらすことになります。背後から襲われると初動で最も重要な防御をすることもできません。凶器による攻撃が届く範囲にいる場合は犯人のほうを見ながら、後ずさりしてください。常に犯人を視界に留めていてください。犯人の攻撃範囲から出て、距離を取ることができて、なおかつ犯人が背中を見せたタイミングで逆方向に全速力で走ってください。
皆さんが刃物を持った人間に遭遇する可能性はかなり低いと思います。しかし、いざというときに備えておかないと、適切な対応を取ることができず、命を落とすことに繋がりかねません。犯人に遭遇しないための予防と遭遇した場合の対処法をしっかり押さえて、自分の命を守る行動をとってください。