この傾向と対策、どう自分を見せていくか、を分析している感じ。それが、嫌じゃない。なんでも魂胆を赤裸々に教えてくれる。でも、それが、なんかずるいとか、計算高い!って思わせない。ただ、かわいいやつめ、なのである。これが伊沢拓司なんだなあ。
どこか少年っぽさがずっとある。
それでふと思った。彼はもしかしたら、根底に、「俺ってダメなやつ」という意識がずっとあるのかもしれない。俺はすごい、選ばれている、というプライドみたいなのを感じない。俺はダメなやつだから頑張って分析して、こうなったんです!という少年漫画的な擬音が溢れる感じ。子犬のような印象を相手に与えてくる。自分ってダメなやつって思ってるから、かわいげもでてくるし、謙虚な品もある。感謝もある。
「(東大には)現役で受かりました。400人学年いて、150人受かるような学校なので。もう情報戦が違うというか。いい塾の先生とか、いい塾の教材とか。結局その、僕、ずっと集団戦で得してきたというか、QuizKnockも、ユーチューブも、僕一人じゃなくて、仲間5、6人でやってきたんで、それでずっと得してるというか。苦手なことを徹底的に他人にやってもらって生きてきたんですよね。相当得してると思います」
彼は、おかげさま、の人なんだなあ。みんなのおかげで、が前提にあるから、子犬のように笑顔で尻尾を振ったりできる。伊沢拓司という“生き物”にみんな魅了されている!
※AERA 2024年1月15日号